【作品#0255】クローバーフィールド/HAKAISHA(2008)

2000年代

クローバーフィールド/HAKAISHA(原題:Cloverfield)

2008年のアメリカ映画
上映時間は85分

日本への転勤が決まったロブの送別会の最中、その会場の外で大きな爆発音が鳴り響く。慌てて避難を始めると、爆発で吹き飛ばされた自由の女神の頭部が転がって来る。

監督はマット・リーヴス
音楽はマイケル・ジアッキーノ
撮影はマイケル・ボンウィレイン

マイケル・スタール=デヴィッド(ロブ)
オデット・ユーストマン(ベス)
リジー・キャプラン(マリーナ)
T・J・ミラー(ハッド)

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999)」などに代表されるフェイクドキュメンタリーもの。キャストもほぼ無名で、ハリウッドでは比較的低予算の部類となる2,500万ドルの予算に対し、全世界で1億7,000万ドルのヒットを記録した。YouTubeを利用した巧みな宣伝なども話題になった。ちなみに、本作のプロデューサーであるJ・J・エイブラムスが監督した「M:i:Ⅲ(2006)」の宣伝で日本に来た際に、子供とおもちゃ屋を訪れた後に本作のアイデアを思いついたものである。また、「HAKAISHA」という副題は日本版のみのものであるが、製作者側の日本愛を反映させたものであり、ロブの転勤先が日本であることやパーティ会場で日本酒(Sake)を飲む場面もある。さらには、劇伴のない本作において、エンドロールが流れるタイミングでマイケル・ジアッキーノの音楽が流れ始める。彼はモンスター映画好きでもあり、「ゴジラ(1954)」の音楽を愛していることから、オマージュを捧げるような音楽となっている。

 

POV型フェイクドキュメンタリーもそれなりに作られているが本作はその代表作の1つと言えるだろう。超非常事態にもカメラを回し続ける野次馬根性と、重ね撮りしたことで合間に以前撮影した映像が「うまく」流れてくるところは気にかかるところではあるが、パニックに自分も巻き込まれた感覚を味わうことができる。上映時間が85分と短いことも影響しているだろう(エンドロールが10分ほどあるので実質75分程度である)。

 

映画の舞台となるのはアメリカ、ニューヨークのマンハッタン島である。この島が正体不明のモンスターによって襲われる映像を見て、同じマンハッタン島のワールドトレードセンタービルが倒壊した2001年のアメリカ同時多発テロを思い出さない人はいないだろう。監督らにその意図はそこまでなかったようだが、モンスターが恐怖の象徴として誕生した「ゴジラ(1954)」が原爆と関係していたように、本作もアメリカ同時多発テロが関係していると多くの観客が思ったことだろう。また、時代を経て恐怖の対象は変わるもので、病気だったり、戦争だったり、いつどこで誰が何かの被害に遭ってもおかしくない。その恐怖感の表現は及第以上と言えよう。ただ、多くの議論を呼んだ、終盤のモンスターの顔のアップはやはりいらなかっただろう。監督もモンスターのアップを取る気はなかったそうだが、モンスター映画好きでもある本作の脚本家ドリュー・ゴダードの強い要望もあり実現したシーンだそうだ。本作はもちろんこのモンスターが何なのかの説明こそないが、顔も分からない正体不明のモンスターのまま映画が終わった方が恐怖の想像力をもっと掻き立てることができたとは感じる。

 

また、重ね撮りした元の映像を挟んでいることから、話のもう1つの基盤はラブストーリーであろう。ただ、この映像の挟み方があまりにも映画的に「うまく」出来すぎているので、製作者の編集意図などを勘ぐってしまう結果となっている。意図したいことは十分に伝わるが、本作の映画においてはやや欲張ったんじゃないかという印象。個人的には、冷たそうなマリーナが治療を受けている時に少し笑顔を見せるところが本作のテイスト的にもグッとくるものであった。

①<マット・リーヴス(監督)>

監督のマット・リーヴスによる単独の音声解説。参加者が何の映画か分からぬままオーディションを受けた話、手持ちカメラによる撮影での苦労、地下鉄内でのネズミの話など興味深い話をほとんど途切れることなくしてくれる。

「クローバーフィールド/HAKAISHA(2008)」…シリーズ1作目
「10 クローバーフィールド・レーン(2016)」…シリーズ2作目
「クローバーフィールド・パラドックス(2018)」…シリーズ3作目

①ソフト版

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