タイトル
エージェント・マロリー(原題:Haywire)
概要
2011年のアメリカ/アイルランド合作映画
上映時間は93分
あらすじ
マロリーは、ニューヨーク北部のとある田舎のレストランにいた。彼女を追いかけてきたアーロンはマロリーに殴りかかるが、アーロンは返り討ちに遭う。マロリーはその場に居合わせた男の車で現場から走り去る。
スタッフ
監督はスティーヴン・ソダーバーグ
音楽はデヴィッド・ホルムス
撮影はピーター・アンドリュース
キャスト
ジーナ・カラーノ(マロリー・ケイン)
ユアン・マクレガー(ケネス)
マイケル・ファスベンダー(ポール)
ビル・パクストン(ジョン・ケイン)
チャニング・テイタム(アーロン)
アントニオ・バンデラス(ロドリゴ)
マイケル・ダグラス(コブレンツ)
感想
格闘家として人気のジーナ・カラーノの映画初主演作。ジーナ・カラーノは本作にもカメオ出演しているアーロン・コーエン指導のもと、6週間にも及ぶ戦術訓練を受けたうえでスタントなしのアクションを披露している。ちなみに原題は「Haywire」で、意味は「めちゃくちゃ/混乱」の意。
簡単に評するなら、1970年代風のサスペンスをアクションのできる女優でソダーバーグなりに表現してみたというところだろうか。1970年代のサスペンス映画(「コールガール(1971)」とか「コンドル(1975)」とか…)の雰囲気が好きな人なら、間違いなく親しみを感じると思う。セリフのない追跡劇、暗闇や逆光の感じ、デヴィッド・ホルムスの作った音楽など「まさに」という感じだろう。特に音楽の醸し出す雰囲気は好みである。
ただ、本作は構成とアクションの見せ方に問題があるだろう。まず、時系列を入れ替える構成にする必要が全く感じられない。スコット相手にそれまでの出来事を話しながら回想する必要性はなく、スコットと言う登場人物が出てくる必要もない。最終盤までネタを明かさず、黒幕候補のビッグネームを最後まで残しておくのも別にミステリーとしてうまく機能していない。93分という短い上映時間なら、黒幕も明らかにしたうえでのシンプルな筋書きが一番だと思う。
また、アクションに関しては見せ方は決してうまくない。ソダーバーグのフィルモグラフィーを見てもアクション映画なんてないし、印象的なアクションシーンも記憶にない。ちなみに、映画会社からは流行りの「ボーンシリーズ」っぽいアクションを要求されたそうだが、ソダーバーグはそれを断って自分なりのアクションシーンを撮影している。結果的には、まだ「ボーンシリーズ」っぽく撮った方がマシだったのではないかと思うほどにキレがない。男相手に苦戦しながらのアクションという描かれ方から判断すると、「無敵の女スパイ」というわけではないのだろう。それはそれでありだと思うが、苦戦しているというより、演出として間延びしてしまっていて、「なんかダラダラしているな」という印象に繋がってしまっている。せっかく格闘家に訓練まで受けさせたのに、素人のぎこちないアクションに見えてしまっているのは残念だ。そもそもソダーバーグにアクションのセンスは期待できないのだろう。
そして、ラストは新たな生活を送っているロドリゴの前にマロリーが現れたところで終わる。こういう終わり方は決して嫌いではないが、安心しきって浮かれた男の前に現れてほしくない人物が現れてしまった感は全くない。これだったらロドリゴとも格闘の末、やっつけて終わるべきだったと感じる。
映画の雰囲気、特に70年代っぽさを感じさせるところは好みだが、こねくり回した変な構成とセンスのないアクションが台無しにしてしまっている。
吹替情報
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