タイトル
クローズド・ノート
概要
2007年の日本映画
上映時間は138分
あらすじ
教員を目指す大学生の香恵は、引っ越してきた家に前の住人のノートが残されているのに気付く。そのノートには真野伊吹という小学校教員と生徒たちの交流や恋人への思いが綴られていた。
スタッフ
監督/脚本は行定勲
音楽はめいなCo.
撮影は中山光一
キャスト
沢尻エリカ(堀井香恵)
伊勢谷友介(石飛リュウ)
竹内結子(真野伊吹)
永作博美(可奈子)
感想
雫井脩介による原作の映画化。本作はその内容よりも、主演した沢尻エリカが初日舞台挨拶で「別に」と言った不機嫌な態度の方が話題となってしまった。
まず、真野伊吹先生を演じた竹内結子が2020年に逝去した事実を受けて本作を見ると、不本意ながらその事実に重ね合わせてしまうものがある。演じた役柄も竹内結子らしいもので、本作における真野伊吹というキャラクターにぴったりだと感じた。主人公が憧れるだけの魅力というものを体現できていたし、何なら映画的な主役を喰っていたとも言える。
それから本編の内容はと言うと、仕掛けたトリックがかなり序盤で観客にバレているのが玉に瑕だろう。タカシを別の役者に演じさせて登場させたところで、「どうせ石飛リュウなんだろう?」とか「伊吹先生はもうこの世にいないんだろう?」いう疑いは割と早い段階で湧いてくる。映画的にはその事実を伏せたまま進んでいき、主人公がその事実に気付くのは映画の終盤である。そう考えると138分という上映時間は長すぎる。中盤以降さっぱり登場しなくなる主人公の友人(演:サエコ)やその恋人(演:田中哲司)のエピソード、主人公がマンドリンを演奏する関連のエピソードは丸々なくても良かったくらいだ。
というか、大学生の主人公視点で本作を見ても、主人公がどういう問題を抱えていてどう成長したのかがほとんど見えてこない。教師を目指す上で、主人公は学生として、そして1人の人間としてこの上ない教材を得たのだと思うが、例えば大学での授業に物足りなさを感じているとか、教師を目指しているが自信がないとか、そういう描写がないとこの「クローズド・ノート」を読んでいるという設定が生きてこない。本作の描き方だと、教員を目指す大学生が、亡くなった教師の日記を読んだだけになっている。
そもそもだが、真野伊吹先生がわざわざ事故で死ぬ理由も見当たらない。原作の通りなのだろうけど、本編の内容と特に関係のない事故死って、他の展開含めもっとできることがあったように思う。人間誰しも死ぬことになる。本作のように死ぬのがメインキャラクターの(比較的若い)1人の登場人物である場合、なぜ死んでしまうことになるのかという疑問は付いて回る。どう見ても終盤の感動演出ありきの展開にさえ思えてしまう。
結局、138分もかけて何を描きたかったのかがかなりぼやけた作品と言う印象だった。この出来ならエリカ様に「別に」と言われてもしょうがない。
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