【作品#0200】プロポーズ(1999)

1990年代

プロポーズ(原題:The Bachelor)

1999年のアメリカ映画
上映時間は101分

結婚を避けて独身を楽しんできたジミーは、大金持ちの祖父を突然亡くす。祖父の残した遺産を相続する条件はジミーが30歳の誕生日までに結婚することであった。そしてそのタイムリミットは翌日に迫っていた。

監督はゲイリー・シニョール
音楽はデヴィッド・A・ヒューズ/ジョン・マーフィ
撮影はサイモン・アーチャー

クリス・オドネル(ジミー)
レネー・ゼルウィガー(アン)
アーティ・ラング(マルコ)
エドワード・アズナー(シド)
ハル・ホルブルック(ロイ)
ジェームズ・クロムウェル(牧師)
ピーター・ユスティノフ(ジミーの祖父)
マライア・キャリー(イラーナ)
サラ・シルバーマン(キャロリン)
ジェニファー・エスポジート(ダフネ)
ブルック・シールズ(バックレイ)

三大喜劇王バスター・キートンの代表作「キートンのセブン・チャンス(1925)」のリメイクだが、興行的にも批評的にも散々だった。ただ、脇はなかなか豪華で、ロイを演じたハル・ホルブルックはオリジナルが公開されたのと1925年生まれの俳優だ。

 

リメイク作品だが、オリジナルとは別物として見るべきだろう。まず、主人公がモテそうにないバスター・キートンから、イケメンでチャラ男のクリス・オドネルに大きく変更されている。独身を謳歌したい男が緊急事態に結婚に踏み切ると言う流れにしたことは悪くはないと思う。原題も「The Bachelor」と「独身」を意味する言葉になっているが、男たち全員が結婚を避けている描写はどうかと。ただ、その前の場面で仕方なくプロポーズすると言うのは映画的にも理解しがたい。というか彼らは3年も交際しているのにその描写をモンタージュでしか描いていないので、後の展開に説得力がないんだよな。牧師とボートでちょっと話したくらいで気持ちが入れ替わると言うのも浅はかである。

 

それから、バスター・キートンがウェディング姿の女性たちから、その身体能力を生かしてアクロバティックに逃げるシーンがなくなっているのも理解しがたい。「キートンのセブン・チャンス(1925)」の一番の見どころを本作ではほぼすべてカットしているのだ。オリジナルと同じことをやれとは言わないが、オリジナルの見どころを1999年当時なりのアプローチでリメイクすべきではないか。クリス・オドネルにアクションができないなら、アクションをできる俳優を起用すべきだった。と言ってもクリス・オドネルが製作総指揮に入っているからそれは鼻から考えていなかったんだろう。その時点で「キートンのセブン・チャンス」をリメイクしようと言う志が低いと言える。

 

そして、本作はアンまでにアプローチする6人にそこそこメジャーな女優をキャスティングしているので、そこに多少重点を置きたかったのだろう(そのうちの1人を演じたマライア・キャリーの映画デビュー作)。実際オリジナルではほとんど描かれなかった部分ではある。ただ、その6人の描かれ方もそれなりに色分けこそしているが、所詮はゲスト出演の域を越えず、彼女たちにフラれることでドラマが積み重ねられていくわけでもない。というか、アンと結ばれるのは分かっているのだからこここそさらっと描くべきだろう。ブルック・シールズ演じるバックレイと結婚寸前まで行ったのに、遺言を正しく伝えていないというギャグを4回も繰り返すのはさすがにくどい。

 

また、本作ではヒロインのアンもオリジナルに比べると遥かに出番の多いキャラクターにはなっている。出番が多いだけでアンと言うキャラクターをちゃんと描けてはいるわけではない。アテネ行きの飛行機に乗ったのにやっぱりやめることになるのだが、隣の席で男女がイチャイチャしているからアテネ行きをやめているように見える。結局ジミーを選ぶと言う彼女の心理も理解できるほど描かれたとは言い難い。

 

終盤にかけて、ウェディングドレス姿の女性たちがジミーを追う展開になり、確かに映像的に迫力はある。ただ、これを現代劇として見るとどう見ても不自然だし、コメディにしてもそこまで振り切ったコメディでもないので微妙な感じである。あれだけジミーを追いかけまわした女性たちも、ジミーとアンが結ばれると全員がお祝いすると言うのも違うでしょう。お金目当てでやってきた女性たちが彼らを見て祝福するだろうか。

 

というか、遺産相続の他の条件に、「結婚10年、外泊は月に1度まで、5年以内に子孫を残すこと」とあるのだから、映画は彼らが結ばれて終わりではなく、最後に10年後も子供たちと幸せに暮らしている描写が必要だろう。安いCGのブーケで終わるのもどうかと思う。興行的にも批評的にも散々だったことが納得の凡作。

「キートンのセブン・チャンス(1925)」…オリジナル
「プロポーズ(1999)」…リメイク

①ソフト版
②テレビ朝日版(2003年4月20日「日曜洋画劇場」)※ソフト未収録
③機内上映版※ソフト未収録

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