タイトル
遠い空の向こうに(原題:October Sky)
概要
1999年のアメリカ映画
上映時間は108分
あらすじ
アメリカ合衆国ウェストバージニア州の小さな炭鉱町に育った高校生のヒッカムは、ソ連の打ち上げた人工衛星を見て友人とロケット作りを始める。
スタッフ
監督はジョー・ジョンストン
音楽はマーク・アイシャム
撮影はフレッド・マーフィ
キャスト
ジェイク・ギレンホール(ホーマー・ヒッカム)
クリス・クーパー(ジョン・ヒッカム)
クリス・オーウェン(クエンティン・ウィルソン)
ローラ・ダーン(ライリー先生)
感想
NASAの技術者だったホーマー・ヒッカムによる回顧録の映画化で、彼を演じたジェイク・ギレンホールにとっては映画初主演作となった。また、ジェイク・ギレンホールとクリス・クーパーは後に、「ジャーヘッド(2005)」「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015)」でも共演している。
この頑固親父にしてこの頑固息子あり。父親のジョンは息子のホーマーに対して全くの無理解というわけでもない。管理者として優秀なジョンだが、炭鉱の採掘量も年々減少しており、組合にはストも起こされている。仮に息子のホーマーが炭鉱で働くことを望んだとしても明るい将来が待っている訳ではないことをジョンは知っている。それでもジョンは炭鉱夫の家庭に生まれたら炭鉱夫に育てるのが、この地の伝統であり、それができないと周囲から認められないと思っている。ジョンが管理者であることもその思いをより強いものにしているのだろう。
本作の舞台となるウェストバージニア州は炭鉱で栄えた町だったが、1980年以降に相次いで閉山し、すっかり衰退の一路を辿った。炭鉱の町というのも映画の題材としてよく使われており、中でも「ケス(1969)」を思い出す。「ケス(1969)」には炭鉱の場面こそ出てこないが、炭鉱の町に暮らす中学生の男の子がその街の閉塞感に飲まれてしまう映画だった。本作も炭鉱の町故に、炭鉱夫の息子は炭鉱夫という決められたレールを歩まなければならないことへの反発と閉塞感。炭鉱の場面も何度かてくるが、天井も低く、暗くて狭い世界である。
そんな狭い炭鉱の中とは違い、主人公が見上げる空には無限の可能性がある。衛星を見上げた星空は美しかったが、昼間は寂れた町ゆえに晴れ渡る空というわけではない。そんな中でもホーマーたちは仲間と手探りでロケット作りを始める。保守的で堅物の男たちと対照的に、ライリー先生や母親のエルシーはホーマーの味方をしてくれる。炭鉱を基準に狭い見方ばかりしている男たちとは対照的で頼もしい存在である。
徐々に高校内でも実力を認められてコンテストに出場することになる。ホーマーにとって初めての外の世界だろう。それゆえのワクワク感は描かれていたが、不安や緊張感が描かれることはない(史実通りなのだろうか)。そして、不測の事態にようやく父親のジョンが手を貸すことになる。その甲斐あって金メダルを受賞したホーマーは歓喜の凱旋を果たす。この一連の描写はやや淡泊に映った。
ホーマーらのロケットの最後の打ち上げにようやくジョンは姿を現す。今まで向かい合って話す場面ばかりだったジョンとホーマー親子が初めて同じ方向を向いて歩き出す。ジョンがボタンを押すとホーマーたちの作ったロケットは雲の遥か彼方へ消えて行き、ジョンとホーマー親子が同じ空を見上げる。そして、冒頭近くの手を肩に回すエピソードをここで回収するという難技。向かい合うことで別の方向を見ることになっていた、また階段の中段にいるジョンがホーマーを見下ろす形になっていたそれまでの画面構成がフリとなっており、ラストで同じ方向を見るという演出は王道ではあるがこういった演出もすごく効果的であり、涙が止まらなかった。
実話通りかもしれないが、同級生の女の子とのロマンスにあまり時間をかけていないのは好印象。青春ものとしても、家族ドラマとしても十分な出来で、老若男女問わず誰にでもお勧めできる一作。
吹替情報
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