タイトル
ある日どこかで(原題:Somewhere in Time)
概要
1980年のアメリカ映画
上映時間は103分
あらすじ
母校で劇を上演する劇作家のリチャードは、突然老婦人から金時計を受け取る。8年後に、リチャードは母校近くのホテルに宿泊すると、1枚の肖像画に心を奪われる。
スタッフ
監督はヤノット・シュワルツ
音楽はジョン・バリー
撮影はイシドア・マンコフスキー
キャスト
クリストファー・リーヴ(リチャード・コリアー)
ジェーン・シーモア(エリーズ・マッケナ)
クリストファー・プラマー(ウィリアム・F・ロビンソン)
感想
SF作家リチャード・マシスンが1976年に発表した小説の映画化。劇場公開時は振るわなかったが、後のテレビ放映を期に人気を獲得していった作品として知られている。
タイムトラベルものというのが嘘のように、タイムマシンも出て来ずSF感はまるでない。どこかファンタジーのような美しい物語を見ている感覚に陥る。それはロケーション、美術、衣装、照明、撮影、音楽、俳優といった映画を構成するあらゆる要素がそう仕立てているのだろう。
特にホテルで肖像画を観る場面の内装は「めまい(1958)」を思わせる美しさがある。「めまい(1958)」のレストランの内壁の赤色とヒロインのドレスの緑色が本作でまるで再現されているようで、肖像画を見る部屋の内壁やホテル正面の階段のカーペットなどの要所で艶やかな赤色が使われており、その対象色として緑色もいくつか使用されている。
現代のシーンから1912年にタイムスリップすると、そこにはちゃんと1912年の世界がある。当時を再現する要素が完璧に揃っている。特に屋外のシーンでは、何の曇りもない眩しさがとても心地よい。
ヒロインとなるエリーズが現代のシーンと写真以外で画面内に登場するのは本編が始まってから35分以上経過してからである。「あの写真の女性に会いたい」というじれったい思いがそのまま伝わってくる。また、エリーズの登場シーンも非常に素晴らしく、ジェーン・シーモアにはこれだけ待った甲斐があると思わせる美しさがあるし、クラシカルな照明の当て方も見事にマッチしている。
他にも、主人公を演じたクリストファー・リーヴの好青年感、ライバルを演じたクリストファー・プラマーの確かな存在感、現代のアーサーと昔の子供時代のアーサーのかわいらしさ。主役から脇役に至るまでが映画内に見事に馴染んでいる。
それから何と言ってもジョン・バリーによる音楽も美しい。作曲当時に相次いで両親を亡くしたことが本作の音楽に大きな影響を与えているらしいが、とにかく切なくて美しい音色である。この音楽もなかったらこんな作品にはならなかっただろう。
この世の場所ではないような惚けた感覚がありながら、でも確かにそこにいるという映画の輪郭ははっきりとしている。意図しても再現するのは不可能なんじゃないかと思える。とにかく何もかもが優雅で美しく、ずっとこの世界に浸っていたいと思わせるSFロマンスの代表作。
音声解説
①<ヤノット・シュワルツ(監督)>
監督のヤノット・シュワルツによる単独の音声解説。「スーパーマン(1978)」直後にクリストファー・リーヴへオファーした経緯、ロケ地となったホテルの話、原作者と練り上げた脚本、ジョン・バリーと話し合って完成させた劇伴、細かなショットの工夫、試写での好反応と劇場公開後の不入りとその後のテレビ放映後の盛り上がりなど、当時を思い出しながら語ってくれる。
吹替情報
①ソフト版
②VOD版※ソフト未収録
③BSテレ東版(2021年2月10日「シネマクラッシュ)※ソフト未収録
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