【作品#0519】スピーシーズ/種の起源(1995)

1990年代

スピーシーズ/種の起源(原題:Species)

1995年のアメリカ映画
上映時間は108分

未知の存在から受け取ったDNAメッセージを元に、研究機関は人間とそのDNAを結合させた新たな生命体を誕生させることに成功する。誕生した生命体はたった3週間で少女にまで成長し、シルと名付けられた。ところが、この急速な成長を恐れた研究所のトップであるフィッチは彼女を毒殺しようとするが、シルは逃走してしまう。

監督はロジャー・ドナルドソン
音楽はクリストファー・ヤング
撮影はアンジェイ・バートコウィアク

ベン・キングズレー(フィッチ)
マイケル・マドセン(プレス)
アルフレッド・モリーナ(スティーブン・アーデン)
フォレスト・ウィテカー(ダン)
マージ・ヘルゲンバーガー(ローラ)
ナターシャ・ヘンストリッジ(シル)
ミシェル・ウィリアムズ(少女時代のシル)

モデルとして活躍していたナターシャ・ヘンストリッジにとっては映画デビューとなった作品。マイケル・マドセンは「ゲッタウェイ(1994)」に続いてロジャー・ドナルドソン監督作品に出演することになった。

 

色々と指摘したいことはある映画だが、B級のSFモンスター映画というジャンル映画として見れば十分な出来であると感じる。

 

まず、エイリアンのシルを演じたナターシャ・ヘンストリッジの魅力なしに本作を語ることはできない。映画初出演のスーパーモデルを起用しているのだが、これが功を奏している。男を手玉に取り、繁殖して増えていくエイリアンであるという設定であれば、スーパーモデルがキャスティングされるのは納得である。また、スーパーモデルがショーに登場する時に無表情であることが多いが、これも映画内でシルが人間社会に馴染んでいないこととリンクしており、時にシリアスに時にコミカルに映るのも素晴らしい。特にモーテルの主人に無表情で「男がいっぱいいるのはどこ?」と尋ねる場面は笑ってしまう。他にも、追手から逃げているのにショウウィンドウを見て購入したウエディングドレスで街中を歩くところも面白い。

 

それから、このシルの少女時代を演じているのは、後に女優として大成するミシェル・ウィリアムズである。撮影当時ミシェル・ウィリアムズは14歳で、ナターシャ・ヘンストリッジは19歳と5歳しか離れていないというところも興味深い。

 

そして、本作でやや残念なのは追手側の描写だろう。ベン・キングズレーはじめ、マイケル・マドセン、アルフレッド・モリーナ、フォレスト・ウィテカー、マージ・ヘルゲンバーガーと、低予算映画にしては、またこの手のSF映画にしては確かに物珍しい組み合わせである。男4人に女1人、白人4人に黒人1人という設定でもある。そもそも追手に豪華キャスト5人も使う必要があるのかと思う。敢えて言うならアルフレッド・モリーナとフォレスト・ウィテカーの役割は必要だっただろうか。

 

それに、シルが追っ手を撒くために取る行動が追手側の描写ありきにも見えるし、逆に追手側がシルの考えをうまく感じ取りすぎにも見える。あと、シルから採取した細胞を培養することになる場面で、プレスとローラが無菌室に閉じ込められることになる。フィッチは規則を理由に彼らを閉じ込めるのだが、結局彼らが助かった後に物語として大きな意義をもたらしていないのは残念である。この場面を好意的に解釈するなら、閉じ込めていたシルに逃げられたからここでは逃がすまいとしているのだと思うが、だとしてもこの場面以降、この5人の関係に大きな変化がないのならこの場面自体あまり必要に感じない。

 

最終的に追手の中では、シルの魅力に負けたスティーヴンと、シルを逃がしてしまったフィッチのみが殺されてしまう。女性の魅力に負けてしまうというスティーヴンのキャラクターは描写としても登場する頻度としてもあまりに物足らない。それから、責任者のフィッチも冒頭のシルを毒殺しなければならない場面での涙など演技面でさすがと感じさせる部分はあったものの、後の場面では指示を出したり現場に駆け付けたりする程度であり、彼が科学者としてシルに対してどう思っているかとかそういう心理面の描写は全くない。この描写はキャラクターの数を削ってでも入れるべきだったと思う。

 

B級SFサスペンスとして、「エロ」と「グロ」の要素はきっちり満たしている。シルを演じたナターシャ・ヘンストリッジも申し分ない存在感であった。追手側のキャスティングが豪華で彼らの演技アンサンブルを楽しむだけでも十分だが、こちらのドラマ描写があまりに物足らなかった。

①<ロジャー・ドナルドソン(監督)/マイケル・マドセン(プレス役)/ナターシャ・ヘンストリッジ(シル役)>

上記3名による対話形式の音声解説。1994年の撮影から10年後と言っているので、2004年ごろに収録されたものである。撮影当時の雰囲気や公開されてからの反応、見返して気付いたミス、新人だったナターシャ・ヘンストリッジへの気遣い、マイケル・マドセンのラストのセリフを長い時間かけて考えた話など話してくれる。悪戯好きのマイケル・マドセンはベン・キングズレーがいつも座っている椅子に悪戯をして怒らせた話など笑い話も多い。10年経過しても彼らの関係が良好で楽しんで聞くことができる。

②<ロジャー・ドナルドソン(監督)/フランク・マンキューソ・Jr(製作)/リチャード・エドランド(視覚効果)/スティーブ・ジョンソン(特殊効果デザイン)>

上記4名による対話形式の音声解説。こちらも上記同様に2004年ごろに収録されたものである。当時の最先端技術を低予算ながら実現した話、「エイリアン(1979)」のデザインも務めたH・R・ギーガーに関する話、10年でCGの分野も発展したことを感慨深く語るなど、特に視覚効果や特殊効果の面から語ってくれる。

「スピーシーズ/種の起源(1995)」…シリーズ1作目
「スピーシーズ2(1998)」…シリーズ2作目
「スピーシーズ3/禁断の種(2004)」…シリーズ3作目

①ソフト版
②テレビ朝日版(1999年2月7日「日曜洋画劇場」)※ソフト未収録

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