タイトル
ジャズ・シンガー(原題:The Jazz Singer)
概要
1927年のアメリカ映画
上映時間は88分
あらすじ
ユダヤ教司祭長を父に持つジェイキーは、酒場で流行りの歌を歌っているところを父に見つかり勘当されてしまう。数年後、ジェイキーはジャックと名乗り、念願だったジャズ・シンガーになる。
スタッフ
監督はアラン・クロスランド
音楽はルイス・シルヴァース
撮影はハル・モーア
キャスト
アル・ジョンソン(ジェイキー/ジャック)
メイ・マカヴォイ(メアリー)
感想
厳密には違うらしいが、世間的には世界初のトーキー映画として知られる作品。とはいっても全編トーキーではなく、歌唱シーンと一部会話シーンのみトーキーでその他は今までのサイレント映画と同じ手法が用いられている。ちなみに中盤の会話シーンだけトーキーになるのは、主演したアル・ジョンソンによる即興によるもので、ワーナー・ブラザースの設立者の1人ハリー・ワーナーがそのシーンを映画に残すように要望したことによるものである。
物語としてはよくあるものである。お堅い家業を継ぐようにと強く言い聞かせてきた結果、その反発としてその正反対の職業に憧れる。今までのサイレントという伝統と、これから台頭してくるトーキーとが主人公の親と主人公を表しているようだ。またその観点から考えると、主人公の会話シーンだけトーキーになるところがあるのも大いに意義がある。さらには、アメリカに渡って来た英語の分からないユダヤ人向けの娯楽として映画が栄えた経緯を考えると、トーキーと言う英語が必要になる設定をユダヤ人の主人公が演じているところも意図的だと感じる。
また、当時のハリウッドにはヘイズコードもなかった。顔を黒塗りにして舞台に立つユダヤ人が主人公なんてなかなか過激である。一方で、主人公とヒロインのロマンスは驚くほどにさっぱりしている。この辺りの妙なアンバランスさも現代から振り返ってみると妙な新鮮さがある。
ただ唯一気がかりなのは、少年だったジェイキーが数年後の場面でかなりのおじさんになっている。これは演じたアル・ジョンソンが当時40歳だからである。途中から気にはならなくなるが、他に適齢の俳優はいなかったんだろうか。
一応、世間的には「初トーキー」作品と言われているので、映画ファンなら一度は見ておきたい作品。ユダヤ人と映画の関係も踏まえると、感慨深いものがある。
関連作品
「ジャズ・シンガー(1952)」…1度目のリメイク
「ジャズ・シンガー(1980)」…2度目のリメイク
「バビロン(2022)」…劇中に本作を主人公が鑑賞する場面がある。
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