タイトル
暗黒街の顔役(1959)
概要
1959年の日本映画
上映時間は101分
あらすじ
小松峰夫は殺しの現場から逃走するところを食堂の女性に目撃されていたが、表に顔を出すことになる歌手活動を続けていた。横光組で働く峰夫の兄の竜太は、社長から峰夫の歌手活動を辞めさせるように指示を出すが…。
スタッフ
監督は岡本喜八
音楽は伊福部昭
撮影は中井朝一
キャスト
鶴田浩二(小松竜太)
宝田明(小松峰夫)
三船敏郎(樫村大助)
白川由美(菊池純子)
草笛光子(リエ)
河津清三郎(横光)
佐藤允(五郎)
感想
岡本喜八にとって監督3作目にして初のカラー作品。後のコメディ路線を考えると、こんな映画も撮っていたのかと思わされるところはある。
後に東映の任侠映画に多数出演することになる鶴田浩二と河津清三郎が出演していると、東映映画っぽくもあるが、三船敏郎や宝田明といったバリバリの東宝組も出演しているヤクザ映画。ちなみに鶴田浩二は松竹に入社し、独立プロへ移籍して失敗し、本作の前年に東宝との専属契約を結んでいたことである。ちなみに本作の2年後に東映に移籍をすることになる。
そして、その鶴田浩二と宝田明が兄弟という設定であるが、見ていて恥ずかしくなるセリフの応酬に「もしかしたらこの2人って…」と勘違いされてもおかしくない感じになっている。
物語は当時に量産されたよくあるヤクザ映画である。ただ、男臭い連中の中の紅一点ではなく、女性キャラクターもたくさん登場する。中でも印象を残すのが殺し屋の五郎を演じた佐藤允である。中盤に満を持して登場する場面だけでなく、じっくりと間を取って部屋から去る場面、ラストでの寝返りなど登場場面では誰よりも存在感を発揮し、主演の2人を完全に喰っていた。ラストには脇役の三船敏郎にも見せ場が用意されていたが、そんな三船敏郎ですら霞むほどの存在感であった。
ラストも当時によくあるヤクザ映画の結末だが、悪党は車の事故で死に、主役の小松竜太は撃たれた傷が原因で死に、そして映画は終わってしまう。主人公が悪を成敗するわけではない。エンドクレジットさえなかった当時の映画だからできた技なのかもしれない。
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