【作品#0501】マイアミ・バイス(2006)

2000年代

マイアミ・バイス(原題:Miami Vice)

2006年のアメリカ映画
上映時間は132分
※ディレクターズ・カット版は139分

マイアミ警察のソニーとリカルドは情報屋アロンゾの家族が殺され、アロンゾも自殺するという事態に巻き込まれる。さらに潜入捜査をしていたFIBの3人も殺されてしまう。FBIのフジマは麻薬組織に面が割れていないソニーとリカルドに麻薬の売人イエロに接触するように要請する。

監督/脚本はマイケル・マン
音楽はジョン・マーフィ
撮影はディオン・ビーブ

コリン・ファレル(ソニー)
ジェイミー・フォックス(リカルド)
コン・リー(イザベラ)
ナオミ・ハリス(トゥルーディ)

1980年代に人気を博したテレビシリーズ「特捜刑事マイアミ・バイス」で製作総指揮も務めていたマイケル・マンが劇場用映画としてシーズン1の「運び屋のブルース」をリメイクした作品。撮影途中にハリケーン・カトリーナが本作の撮影セットを襲ったことで当初よりも製作費が膨れ上がり、「Ray/レイ(2004)」でオスカーを獲得したジェイミー・フォックスがスター俳優としての扱いを要求し、ドミニカ共和国での撮影時にジェイミー・フォックスが危険を感じて帰国してエンディングが書き換えられるなど不運にも見舞われ、予算を回収できるには至らなかった。また、ジェイミー・フォックスにとってマイケル・マン監督作は「ALI アリ(2001)」「コラテラル(2004)」に続いて3度目の出演となった。

 

男同士の熱いドラマを描き続けてきたマイケル・マン監督であるが、本作はどの男同士を組み合わせてみても何も浮かび上がってこない。ソニーとリカルドは互いが互いを信頼しており、意見が割れたり言い合いをしたりする場面は一切ない。コンビものの映画でここまで主演の2人がある意味大人しい映画も珍しい。本来なら敵の女に手を出したソニーをリカルドが諫める場面があっても良いくらいだ。

 

ソニーらは警官であることを伏せて麻薬組織と取引をする。そこでソニーはモントーヤの愛人イザベラと関係を持つ。イザベラはこの関係をモントーヤと普通に話しているし、リカルドら仕事仲間もこの関係についてとやかく言うことはない。仕事を有利に進めるためにモントーヤの愛人であるイザベラと関係を持っている訳でもなく、本人同士がただ惚れ合っているのである。彼らが周囲に関係を隠す必要もなさそうなので、危険な恋という意味合いも感じない(ただ、彼らがボートでアメリカからキューバへ行く場面はそれなりの雰囲気は感じる)。ソニーがイザベラに将来の話をしているからいずれはラストのようなことになるのは危惧していたのだろうが、もう少し彼らの心情の機微を伝えても良かったのではないか(この辺の描写は「ヒート(1995)」におけるロバート・デ・ニーロ演じるニールと恋仲になるイーディの関係を思わせるところが少しはあるが)。

 

それから、そもそもはどこかに裏切り者がいるからという理由でソニーとリカルドは捜査することになったはずだ。で、結局その裏切り者が誰であるかは本作で描いていないし、黒幕だったモントーヤも野放しの状態で映画が終わる。この終わらせ方を見るに、別にこの一件を解決することを描きたかったわけではないのだろう。

 

つまり、本作はソニーとイザベラの関係が中心の映画だったんだなと思う。リカルドとトルーディーの関係はソニーとイザベラの対照として描かれていたのだろう。普段なら繋がらない2人が、特殊な状況下で惚れあったからこそたとえ事件がある程度解決したとしても別の道を歩まなければならない。そういった悲恋を描くにしてはあっさり結ばれ過ぎだし、こうなることも目に見えていたはず。夜の場面の多さや青みがかった照明などは「ヒート(1995)」や「コラテラル(2004)」の雰囲気を引き継いでいるとは思うが、心に響くものは感じられなかった。

①ソフト版
②テレビ東京版(2008年12月4日「木曜洋画劇場」)※ソフト未収録

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