タイトル
容疑者 室井愼次
概要
2005年の日本映画
上映時間は117分
あらすじ
殺人事件の捜査過程で任意の事情聴取を受けていた神村巡査は、突然逃走して車にはねられて死んでしまう。神村巡査が殺人事件の容疑者として捜査が打ち切りになりそうなところ、室井警視正は容疑者の押収物の整理をしているとあるものに気付き…。
スタッフ
監督は君塚良一
音楽は松本晃彦
撮影は林淳一郎
キャスト
柳葉敏郎(室井慎次)
田中麗奈(小原久美子)
哀川翔(工藤敬一)
八嶋智人(灰島秀樹)
吹越満(篠田真一)
柄本明(津田誠吾)
佐野史郎(窪園行雄)
真矢みき(沖田仁美)
筧利夫(新城賢太郎)
感想
「踊る大捜査線」劇場版スピンオフの2作目。
そもそもタイトルにもなっている「容疑者 室井慎次」だが、その期間は割と序盤だけである。釈放されてからも自らを陥れた人物へ復讐するわけでも、真相を明らかにするわけでもなく、室井慎次はほとんど何もしない映画である。
また、この室井慎次という堅物のキャラクターを主人公にしたことでシリーズでも屈指の明るくない作品となっている。そもそも「陽」が基本の作品だからこそ、こういった堅物のキャラクターが生きてくるわけで、この室井慎次を主人公にした話を作ること自体が間違っていたのではないかと思う。案の定、その「陽」の代表格とも言えるスリー・アミーゴスは完全に浮いた存在になっている。別に彼らの出番をカットしたって何の問題もなかったはずだ。
しかも、室井慎次が多くを語らないキャラクターが主役となると目線や表情での演技が求められるが、柳葉敏郎がそれに応える演技力があるわけでもない。
それから、室井慎次とダブル主演と言っても良いのが田中麗奈が演じる新人弁護士の小原久美子というキャラクターである。室井慎次と一緒にいることで新人弁護士の彼女が成長する物語というわけでもなく、彼女の存在も特に捜査の進展に大きな影響を及ぼしていない。室井慎次も小原久美子も過去のエピソードが長々と語られていくだけであり、それはただの説明である。しかも、そのエピソードに出てくるのが室井慎次の彼女の病気の話である。そういう不幸な話を持ち出すのは本当に好きだよな。
ラストにかけて、徹底的に追い詰められた室井慎次だが、追いつめる側だった灰島が墓穴を掘り、それを小原弁護士に指摘されてあっさり退場することになる。この灰島が墓穴を掘るのも「陽」の雰囲気の作品ならまだギリギリ許せたかもしれないが、本作ではさすがに許しがたい顛末である。この灰島を室井慎次や小原が追いつめたわけでも罠に仕掛けたわけでもない。ただ灰島がただ単にミスしただけである。主人公たちが何もせずに敵が自滅する話ってさすがに酷すぎる。
そして、事の真相が明らかになると、実に下らないことが原因だったと判明する。これも本来の「陽」の作品なら拍子抜けする話で終わったのに、本作では人が死に、「陰」な雰囲気な作品なので後味も悪い。
主人公が最初から最後までほとんど何もせず、敵の自滅と下らない真相で終わってしまった。スピンオフありきで物語を作るからこういうことになる。何を描きたかったのかもさっぱり。
関連作品
「踊る大捜査線(1997)」…テレビドラマ(全11話)
「踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル(1997)」…スペシャルドラマ
「踊る大捜査線 番外編 湾岸署府警物語 初夏の交通安全スペシャル(1998)」…スペシャルドラマ
「踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル(1998)」…スペシャルドラマ
「踊る大捜査線 THE MOVIE(1998)」…劇場版シリーズ1作目
「踊る大ソウル線(2001)」…スペシャルドラマ
「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003)」…劇場版シリーズ2作目
「交渉人 真下正義(2005)」…劇場版スピンオフ
「容疑者 室井慎次(2005)」…劇場版スピンオフ
「逃亡者 木島丈一郎(2005)」…スペシャルドラマ
「弁護士 灰島秀樹(2006)」…スペシャルドラマ
「踊る大捜査線THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010)」…劇場版シリーズ3作目
「踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件」…スペシャルドラマ
「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望(2012)」…劇場版シリーズ4作目
「室井慎次 敗れざる者(2024)」…劇場版スピンオフ
「室井慎次 生き続ける者(2024)」…劇場版スピンオフ
「踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!(2026)」…劇場版シリーズ5作目
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