タイトル
007/慰めの報酬(原題:Quantum of Solace)
概要
2008年のイギリス/アメリカ合作映画
上映時間は106分
あらすじ
前作のラストで捕まえたミスター・ホワイトをボンドは上司のMのところへ連行するが、尋問中に味方の裏切りでミスター・ホワイトは逃走してしまう。裏切った味方の残した手掛かりからエドムンド・スレイトという男に辿り着き、ボンドは彼の滞在するハイチのホテルへ向かう。
スタッフ
監督はマーク・フォースター
音楽はデヴィッド・アーノルド
撮影はロベルト・シェイファー
キャスト
ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)
オルガ・キュリレンコ(カミーユ)
マチュー・アマルリック(ドミニク・グリーン)
ジュディ・デンチ(M)
ジャンカルロ・ジャンニーニ(マティス)
ジェマ・アータートン(フィールズ)
ジェフリー・ライト(フェリックス・ライター)
感想
シリーズ22作目となる本作は、シリーズでは初の続編となった。ところが、製作途中の2007年11月から2008年2月まで全米脚本家組合がストを起こし、急ピッチで作られた脚本を元に、そして脚本家が現場不在というなかで撮影は開始された。撮影中も車の事故などの話題が取り上げられ、結果的に前作と同程度の売り上げこそ記録したが、前作ほどの評価は得られなかった。
続編と言いながら、前作でグレーとして描かれたヴェスパーやマティスに関する真相ははっきりと明示されないまま終わってしまった印象はある。また、シリーズ最短となる上映時間106分にまとめられたこともあり、大幅に削られたエピソードもあるのだろう。
ただ、続編にして一応の完結編でもあるので、前作「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」のオープニングと本作のエンディングは対になっている。前作のオープニングでは、ボンドが待ち伏せした相手を殺して殺しのライセンスを手にすることになるが、本作のエンディングでは、ボンドが待ち伏せした相手を殺さずに解決に向かうことで成長と真の意味で殺しのライセンスを手に入れたと言えるうまい落とし方であると感じる。
とはいえ、本作のボンドは前作に増して個人的感情を剥き出しにした復讐劇を繰り広げることになる。そのボンドの感情をそのまま表現するかの如く、アクションシーンはなかなか過激である。そのアクションシーンの演出は、明らかにポール・グリーングラス監督が監督した「ボーン・スプレマシー(2004)」「ボーン・アルティメイタム(2007)」の影響は大きいだろう。冒頭のトンネル内でのカーチェイスは、「ボーン・スプレマシー(2004)」終盤のモスクワでのカーチェイスを思わせるし、ホテル内での格闘や屋根を伝っての追跡劇は「ボーン・アルティメイタム(2007)」のそれらを思わせる。
そして、ボンドガールであるカミーユとボンドのラブシーンはない。本作と同じくボンドが個人的復讐に走る「007/消されたライセンス(1987)」を思わせるし、アクションのできるボンドガールは魅力的だ。一方で、ジェマ・アータートンが演じたフィールズとボンドのラブシーンはあるのだが、後に石油まみれで殺されてしまう。これはボンドガールが金粉まみれで殺される「007/ゴールドフィンガー(1964)」へのオマージュだ。ただ、本作のような作風なら安っぽい関係のラブシーンなんていらないし、アンマッチである。
シリーズ初の続編で、前作「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」で始まった物語の完結編のようだが、脇の登場人物たちに語られない要素があり消化不良ではある。それは次々回作「007/スペクター(2015)」で明かされることになる(完全にではないが)。ただ、前作の待ち伏せて相手を殺すオープニングと、本作の待ち伏せして相手を殺さないエンディングが対にはなっており、やりたかったことが分からないでもない。
明らかに「ボーンシリーズ」の影響を受けたアクションシーンの数々。それなりに見所になっており、アクションの数珠つなぎにしたのはある意味成功だったかもしれない。
関連作品
「007/ドクター・ノオ(1962)」…シリーズ1作目
「007/ロシアより愛をこめて(1963)」…シリーズ2作目
「007/ゴールドフィンガー(1964)」…シリーズ3作目
「007/サンダーボール作戦(1965)」…シリーズ4作目
「007は二度死ぬ(1967)」…シリーズ5作目
「女王陛下の007(1969)」…シリーズ6作目
「007/ダイヤモンドは永遠に(1971)」…シリーズ7作目
「007/死ぬのは奴らだ(1973)」…シリーズ8作目
「007/黄金銃を持つ男(1974)」…シリーズ9作目
「007/私を愛したスパイ(1977)」…シリーズ10作目
「007/ムーンレイカー(1979)」…シリーズ11作目
「007/ユア・アイズ・オンリー(1981)」…シリーズ12作目
「007/オクトパシー(1983)」…シリーズ13作目
「007/美しき獲物たち(1985)」…シリーズ14作目
「007/リビング・デイライツ(1987)」…シリーズ15作目
「007/消されたライセンス(1989)」…シリーズ16作目
「007/ゴールデン・アイ(1995)」…シリーズ17作目
「007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997)」…シリーズ18作目
「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999)」…シリーズ19作目
「007/ダイ・アナザー・デイ(2002)」…シリーズ20作目
「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」…シリーズ21作目
「007/慰めの報酬(2008)」…シリーズ22作目
「007/スカイフォール(2012)」…シリーズ23作目
「007/スペクター(2015)」…シリーズ24作目
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2021)」…シリーズ25作目
「007/カジノ・ロワイヤル(1967)」…本シリーズのパロディ
「ネバーセイ・ネバーアゲイン(1983)」…「007/サンダーボール作戦」のリメイク
「ジェームズ・ボンドとして(2021)」…ダニエル・クレイグに焦点を当てたドキュメンタリー
「サウンド・オブ・007(2022)」…本シリーズの音楽/主題歌に関するドキュメンタリー
吹替情報
①ソフト版1(20世紀フォックスから発売のソフトに収録)
②ソフト版2(キングレコードから発売のソフトに収録)
③BSジャパン版(2016年3月18日「シネマクラッシュ」※ノーカット)
※2019年12月18日発売の4K Ultra HD Blu-rayに上記3種類すべての日本語吹替を収録
音声配信
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