映画の音声解説について

 

様々な情報を聞けると期待して音声解説を聞いてみても、映画本編と同様に期待通りのものが得られるとは限りません。半分くらい黙って映画を観ているだけで大して話してくれない音声解説もあります。

 

そのいい例がロブ・ライナー監督だろう。「ア・フュー・グッドメン(1992)」の音声解説を聞いたが、半分くらいは黙っており、話したとしても大したことを話している訳ではないので、かなりがっかりしたのを記憶している。また、彼は「スタンド・バイ・ミー(1986)」「恋人たちの予感(1989)」「ミザリー(1990)」でも音声解説を担っているが、海外サイトでも評価は高くなく、「沈黙の時間がある」といったレビューも散見される。

 

その逆にサービス精神たっぷりに本編が始まってからエンドクレジットが終わるまで話し続けてくれる人もいる。大体の人はエンドクレジットになると「聞いてくれてありがとう」と言って終わってしまうことが多いが、話が尽きなければエンドクレジット中も見つけた名前を見てエピソードを話してくれることもある。

 

音声解説の満足度は映画のレビューサイト程情報が充実している訳ではないので、実際に聞いてみないとその良し悪しは分からないのが現状だろう。

 

 

「エル・マリアッチ(1992)」

 

ロバート・ロドリゲス監督がたったの7,000ドルで製作したアクション映画。この音声解説を聞けば、どうやったら7,000ドルで一本の映画を完成させることができるかが理解できる。また、映画が始まってから終わるまで喋りっぱなしであり、7,000ドルの映画の製作に徹底した準備が必要なように、この音声解説の準備も徹底している。音声解説を聞きたい人がどういうことを求めているのかまで理解した、まさに完璧な音声解説。

 

「ゴッドファーザー(1972)」

 

本シリーズすべてに監督のフランシス・フォード・コッポラによる音声解説が収録されている。この1作目では、監督としての実績がそこまでなく低予算と言う状況で、クビ寸前になりながらもスタジオと戦いながら何とか作り上げた話を聞くことができる。

また、大成功を収めた上で臨んだ2作目では、大型予算と自由を与えられ、その中で彼が作り上げた世界観について聞くことができる。そして、一度は落ち目を経験したうえで臨んだ3作目では、やりたくてもできなかったことの話や、起用した娘に関する話など聞くことができる。

他の映画の音声解説で別の監督が「フランシス・フォード・コッポラ監督の音声解説に憧れている」といった趣旨の発言をしていることを聞くこともあるので、音声解説と言えば「フランシス・フォード・コッポラ」というイメージも映画人にはあるかもしれない。

 

「タイタニック(1997)」

 

本作には音声解説が3種類も収録さているが、特にジェームズ・キャメロン監督による音声解説と、スタッフやキャストによる音声解説はオススメである。ジェームズ・キャメロン監督による音声解説を聞けば、どれだけ史実に忠実に作ろうとしたか、またこれほどの大作を作り上げる上での準備や心意気を感じることができる。

また、スタッフやキャストによる音声解説は大勢の音源を適所に当てはめたタイプのものである。このタイプのものは、話し手が映像を見ながら話しているわけではないので物足りなく感じがちであるが、さすがに大ヒットした作品だけあり、収録した音源、その音源を当てはめる箇所の編集も手が込んでいて素晴らしい。

 

「ロボコップ(1987)」

 

本作には監督のポール・ヴァーホーヴェン、脚本のエドワード・ニューマイヤー、プロデューサーのジョン・デイヴィソンの3人による音声解説が収録されている。特に話しているのはポール・ヴァーホーヴェンとエドワード・ニューマイヤーだが、ポール・ヴァーホーヴェンはこの音声解説も視聴者に楽しんでもらおうとサービス精神たっぷりにあれもこれも、しかも楽しそうに話してくれる。こちらの気分も明るくなる楽しい音声解説。

 

「ロッキー(1976)」

 

本作には3種類の音声解説が収録されているが、ソフトによって収録されている数が異なるのでご注意ください。特に後に新録されたシルヴェスター・スタローンによる単独の音声解説は、やはり「ロッキー」の生みの親だけあり、各キャラクターの背景や心情などを十分に説明できる奥深さがある。スタローンの考える重要な場面の話、ロッキーが帽子を被る設定など、映画会社と意見が対立しても押し通した話などは大変興味深い。

 

 

もし気に入った映画があって、その映画のDVDやBlu-rayに音声解説が収録されていればぜひ聞いてみてください。映画に関する情報はパンフレットやネットの情報で事足りるかもしれませんが、関係者本人による語りで聞くと、その苦労や心意気はより伝わってくるかもしれません。また、気に入った音声解説があれば同じ人が携わった音声解説を探してみるのもありだと思います。もし少しでも興味が湧いたなら、私の作ったリストから探してみてください。

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