【作品#0093】評決(1982)

1980年代

評決(原題:The Verdict)

1982年のアメリカ映画
上映時間は129分

落ち目の弁護士フランクのところへ友人のミッキーが仕事を回してくれた。入院した女性が麻酔時のミスで植物人間になってしまい、病院と示談すればフランクにお金が入って来るというものた。植物人間になった被害者を見舞ったフランクは、次第に示談ではなく裁判で戦おうと決心するようになっていく。

監督はシドニー・ルメット
音楽はジョニー・マンデル
撮影はアンジェイ・バートコウィアク

ポール・ニューマン(フランク・ギャルビン)
シャーロット・ランプリング(ローラ・フィッシャー)
ジャック・ウォーデン(ミッキー・モリッシー)
ジェームズ・メイソン(エド・コンキャノン)
リンゼイ・クローズ(ケイトリン・コステロ)
ブルース・ウィリス(裁判の傍聴者)※ノンクレジット
トビン・ベル(裁判の傍聴者)※ノンクレジット

法廷ものとして見れば、コンキャノン率いる大手法律事務所が元看護士のケイトリンを見落としていたとは考えにくく、裁判に勝ったのはもはや運が良かっただけにも見えてしまう。ただ、本作は一人の男の復活の物語である。主人公は新聞の死亡欄を見ては葬式へ行って営業をかけ、妻とは離婚してアル中である。見かねた友人が回してくれた仕事で示談にさえすれば大金が転がり込んでくる。被害者となる女性をインスタントカメラで撮影しその場で現像されるのを待っている時に、フランクはその女性を見て「自分は生きていると言えるのか」と感じたはずである。写真がじわじわと現像されていく時のポール・ニューマンの表情も絶妙である。そこからというもの、うまくいきそうになっては潰されてを繰り返すじりじりした展開が続く。

 

そして最終弁論。フランクは原告側や被害者の苦しみについて陪審員に訴えることはない。彼ら、彼女らの心にある正義に訴えかけるわけである。決定的な証人を連れてきてもコピーは認められないとして却下されてしまった。判事もこの件は忘れて評決を出すように陪審員に話すが、結果は勝訴。陪審員だって弁護士や被害者と同じ人間。証拠だけで判断するなら陪審員制度はいらない。彼らにだって心証はある。フランクが1人の人間として最終弁論で訴えた本気が伝わったのだ。

 

生涯ベストアクトとも言えるポール・ニューマンの素晴らしさとともに、重要キャラクターであるローラを演じたシャーロット・ランプリングの色気と存在感も忘れ難い。

①<シドニー・ルメット(監督)/ポール・ニューマン(フランク・ギャルビン役)>

シドニー・ルメット監督とポール・ニューマンの2人による音声解説とDVDのパッケージでも紹介されているが、2人の音声は別撮りで、ポール・ニューマンが喋るのは最終弁論のシーンで数分のみである。よって、ほぼシドニー・ルメット監督による音声解説と言っていいだろう。主人公の最終弁論のシーンが事情により再撮影になった話は興味深かった。

①TBS版(1985年11月11日「月曜ロードショー」※正味92分)
※ソフトに収録
※2016年12月27日にWOWOWにて日本語吹替の欠落箇所に追加録音したものを放送

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