タイトル
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(原題:Sicario: Day of the Soldado)
概要
2018年のアメリカ映画
上映時間は122分
あらすじ
アメリカ国内で起こるテロの容疑者をメキシコ経由の不法入国者であると仮定したアメリカ政府は、不法入国ビジネスを行うメキシコの麻薬カルテル同士に抗争を起こすことで混乱させる作戦を行う。作戦の指揮を任されたCIAのマットはアレハンドロとともにその作戦を実行に移す。
スタッフ
監督はステファノ・ソッリマ
脚本はテイラー・シェリダン
音楽はヒルドゥル・グドナドッティル
撮影はダリウス・ウォルスキー
キャスト
ベニチオ・デル・トロ(アレハンドロ)
ジョシュ・ブローリン(マット)
イザベラ・モナー(イザベル)
キャサリン・キーナー(シンシア)
マシュー・モディーン(国防長官)
感想
「ボーダーライン(2015)」から3年の時を経て製作されたスピンオフ作品。その「ボーダーライン(2015)」の監督だったドゥニ・ヴィルヌーヴは「メッセージ(2016)」や「ブレードランナー2049(2017)」の製作のため続投せず、主役を演じたエミリー・ブラントは続投を希望したが、彼女の物語は終わっているとして脚本家も監督も起用しなかった。
「ボーダーライン(2015)」の重要キャラクターのマットやアレハンドロこそ出演しているが、スピンオフと言っているように別物である。その「ボーダーライン(2015)」でケイトはマットやアレハンドロに振り回されて、事態をどうすることもできない存在として描かれていたが、本作ではその視点はマットやアレハンドロに置かれており、彼らでさえも、国防長官や国といった存在にはどうすることもできないのである。
また「ボーダーライン(2015)」は、国の抱える問題が描かれる作品かと思いきや、アレハンドロの超個人的な復讐劇という着地というトリッキーな映画でもあった。そして本作では、娘を殺された過去を持つアレハンドロがイザベラを殺さない判断をしたり、国の勝手な判断で作戦中止となりどうすることもできなくなったマットがアレハンドロを救出すべく行動したりと、本作でも最終的に個人的な感情によって行動する主人公たちが描かれる。前作でやりたい放題だったマットやアレハンドロでさえも国が動けばどうすることもできない、タイトルの原題「Sicario:the day of soldado」の「Soldado=兵士」であることが分かる。特に、不法入国を防ぐための作戦を実行する側が、不本意にも不法入国でメキシコからアメリカへ行こうとするところは面白い。
そして「ボーダーライン(2015)」では無敵の男として描かれたアレハンドロでさえも、捕まってしまえばどうすこともできないところはフリが効いていた。さすがに殺されることはないだろうと思って観ていたら何もできずに殺されてしまう。ところが、銃弾が頬を貫通して死んでいなかったという展開になる。偶然にも生きていたという展開には「おいおい」と思うところもあり、賛否を呼んだ展開だろう。
それからアレハンドロだけでなく、マットも感情を剥き出しにする場面がある。友人のアレハンドロモ、作戦のために誘拐したイザベラも殺すようにと上から指示を受けるが、その指示は守れないと反対する。「ボーダーライン(2015)」のラストが個人的な感情での行動だったが、本作もその点では共通している。
また、ミゲルの立場から見ると、徐々に悪の世界に足を踏み入れ、おそらく最初の殺人がアレハンドロだっただろう(未遂に終わるが)。これによって悪の世界で成り上がっていく。そして本作はドアが閉まって終わる。これは「ゴッドファーザー(1972)」のエンディングを思わせる。何といっても本作の監督もイタリア人ですし。
監督も主人公も変えてこそいるが、音楽や撮影などから前作の世界観は引き継がれており、3部作構想の3作目の製作が待たれるところである。
関連作品
「ボーダーライン(2015)」
「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018)」…スピンオフ
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