【作品#0362】病院へ行こう(1990)

1990年代

病院へ行こう

1990年の日本映画
上映時間は118分

広告代理店に勤務する新谷公平は、帰宅すると妻が見知らぬ男を連れ込む現場を目撃する。逃げる男を追いかけると2人とも階段から転げ落ちてしまい大学病院に入院することになる。

監督は滝田洋二郎
音楽は高橋千佳子
撮影は浜田毅

真田広之(新谷公平)
薬師丸ひろ子(吉川みどり)
大地康雄(如月十津夫)

後にシリーズ第2作(続編ではない)が作られることになるシリーズ第1作。後にブレイクすることになる大杉漣や豊川悦司らが端役で出演している。本作は真田広之が最初にクレジットされるが、真田広之、薬師丸ひろ子、大地康雄のトリプル主演作品として捉えるべき作品だろう。

 

平成初期の病院(特に病室)内の雰囲気に妙なリアルを感じさせ、自分のベッドに私物を置いたり、みんなで談笑したりと現在なら考えられない雰囲気がある。バブル崩壊を翌年に控えた本作は、広告代理店で働く主人公が金の無駄遣いにしか見えない広告撮影をしていたり、病院を抜け出して飲み屋やキャバクラをはしごしたりと呑気なものである。また、研修医が穿刺の実験台に患者を使うという現代なら到底通らないようなシーンまである。

 

何と言っても医師のみどりを演じた薬師丸ひろ子のコメディ演技がなかなか良い。注射の苦手なみどりが、平栗あずみ演じる厳しい看護師が一度刺した注射を抜いてもう一度刺すように指導される場面は面白い。また、手術の場面になるとみどりがとても扱えそうにない器具のスイッチを入れて「いかにも」な音が出る場面や、新谷が痛みをごまかすために歌を口ずさむシーンで痛みに耐えきれず歌が途切れてしまうと続きの歌詞を教える場面は彼女の表情含めて最高である。

 

以降は、みどりを新谷と如月で取り合う三角関係が描かれ、かつ如月の重病疑惑をみどりと新谷だけが知っているという展開になる。如月がみどりの写真を撮って抱き枕にプリントしているところは最高に気持ち悪い。ただ、この辺りの展開は、登場人物をやや広げ過ぎた印象もあり、少し冗長に感じてしまう。

 

またラストの展開は、かなり強引ではあるが、新谷が如月と出くわした場面を反映させらているのも映画なりの表現を試みていると感じる。

 

エンドクレジットでは、結ばれた真田広之と薬師丸ひろ子が同列で、その下に大地康雄だけの列になるというなかなか意地悪さも細かいながら良い。というか、新谷は愛人と遊んでいたのに妻の遊びは許せなかった。広告代理店で働く派手に遊ぶ新谷が妻に愛想尽かされただけなのだ。ただ、新谷にはそれを反省する気はあまりないようで、病院内でよく顔を合わせる連中と心を交わしていくようになる。接する機会が増えれば仲良くなっていくものなのだが、新谷は家庭内で時間を取ることもろくにしていなかったであろう。そんな新谷がみどりと結ばれたって、みどりから愛想尽かされるのは割と目に見えているのは本作のちょっと痛いところ。新谷の反省過程も描かないと、新谷とみどりの恋も終盤の花火のようにあっという間に消え去ってしまうのかもしれない。この辺りもバブルに浮かれた日本人を見ているようで悲しくもなるところではある。

 

ラスト以降の展開についても真面目に考えてみたが、病院という場所を用いたシチュエーションコメディとしては及第だろう。

「病院へ行こう(1990)」…シリーズ第1作
「病は気から 病院へ行こう2(1992)」…シリーズ第2作

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