タイトル
ひろしま
概要
1953年の日本映画
上映時間は104分
あらすじ
広島市内の高校で女生徒が授業中に白血病で倒れてしまう。担任の北川先生は原爆病について無知であることを実感する。すると、時は1945年8月6日、原爆投下のあった広島にフラッシュバックする。
スタッフ
監督は関川英雄
音楽は伊福部昭
撮影は中尾駿一郎
キャスト
岡田英次(北川先生)
月丘夢路(米原先生)
山田五十鈴(女生徒の母親)
加藤嘉(遠藤幸生の父親)
三島雅夫(医師)
感想
被爆地の広島で撮影され、製作経緯も色々あった意欲作。とはいえ、一番力を入れたであろう原爆当日のシーンが撮り方のせいで入り込めなかった。特に建物の下敷きになった先生が生徒たちの無事を確認するシーン。生徒たちが次々に自分の名前を言っていくのだが、ここでカメラは先生から横にドリーしていき生徒の顔を映すと、その生徒が名前を言うという撮り方になっている。これでは「いかにも準備して撮りました」感がある。一度カメラの存在を意識してしまうと後のシーンも入り込めない。観客もろとも原爆投下の当日に送り込むという構成上、このパートは目の前で起こる惨劇をただただ傍観するしかないという撮り方に徹するべきだった。
そのせいもあってか、むしろ現代パートの方がより事態の深刻さを表していたように思える。朝鮮戦争が勃発し、警察予備隊の募集ポスターが貼られ、遠藤青年は「チャップリンの殺人狂時代(1947)」を見て、ラストのセリフに再び忍び寄る戦争に恐れている。敗戦からわずか5年で再び同じことを大人たちが繰り返そうとしており、また子供たちが被害に遭うのではという恐怖は見事に表現されていた。
戦後にはGHQによってプレスコードが敷かれ、原爆について広島の人ですらあまり事情を知らなかった。サンフランシスコ講和条約の締結により、このプレスコードは失効したのに大手の映画会社はGHQに気を遣って本作の配給はせずに自主配給という形になったことが、悲しい現実と奇しくも重なる。
関連作品
「原爆の子(1952)」…長田新が編纂した作文集「原爆の子〜広島の少年少女のうったえ」を元にした作品。
「ひろしま(1953)」…長田新が編纂した作文集「原爆の子〜広島の少年少女のうったえ」を元にした作品。
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