【作品#0103】ジョンQ-最後の決断-(2002)

2000年代

ジョンQ-最後の決断-(原題:John Q)

2002年のアメリカ映画
上映時間は118分

ジョンの息子マイクが少年野球の試合中に突然倒れてしまう。救急病院で治療を受けると、マイクの心臓は移植が必要であり、その費用は25万ドルと高額と、低所得層のジョンには到底支払うことはできない。追いつめられたジョンはついに病院に立て籠もってマイクの心臓移植を迫る。

監督はニック・カサヴェテス
音楽はアーロン・ジグマン
撮影はロジェ・ストファーズ

デンゼル・ワシントン(ジョン)
キンバリー・エリス(デニーズ)
ロバート・デュヴァル(フランク警部補)
レイ・リオッタ(ガス警察本部長)
ジェームズ・ウッズ(ターナー医師)
アン・ヘッシュ(病院の院長)

父親のジョンが自分の心臓を差し出してまでという行動にこそ心動かされるものはあるが、果たしてこの結末で良かったのか。

 

他人の命を危険に晒して、奇跡的にドナーが見つかってマイクは助かる。ジョンは有罪判決こそ受けるが、病院に立て籠もって息子の命が助かるならジョン的に割に合ってしまっていないか。まるで悪役の如く描かれていた院長の「前例を作りたくない」と言うセリフの方にむしろ同意してしまう。安易な感動にすべきではないが、主人公が助からない強烈なエンディングの方がこのテーマを社会に訴えかけられたのではないか。ドラマチックな内容だが、「シッコ(2007)」の方がよっぽど響いた。

 

人質にこそ死者はいないが、映画の冒頭で無謀な運転で死ぬことになる女性が出てくる。後に分かるがこの女性がマイクのドナーになる。「無謀な運転で死ぬ女性」をわざわざ描くことは、突然ドナーが見つかることへの不自然さ解消のためだとは察するが、わざわざ登場させて死なせている。登場人物が生きるも死ぬもすべて脚本家次第。命を扱う作品で、このような登場のさせ方は理解しかねる。これなら「誰でもない」人の心臓で良かった。

 

警察内部の対立やマスコミ、野次馬など劇場型にしてサスペンスを盛り上げようとしているが、それらの要素はその役には立っていない。人質の中にいたレスターという男が「子供の死も受け入れるべきだ」と言っていたように、命に対する考え方は人それぞれである。むしろ、そういった議論を人質たちともっともっとすべきだった。重いテーマを扱ったにもかかわらず、安易なサスペンスに仕立てたのは間違いだった。

①<ニック・カサヴェテス(監督)/ジェームズ・キアーンズ(脚本)/ロヒール・ストッフェルス(撮影)/キンバリー・エリス(デニス・アーチボルト役)/マーク・バーグ(製作)>

上述の5人が集まって話す音声解説。私が本作に対して否定的な見方をしたからだろうか、渾身の一作を作り上げたと語るような本作の音声解説はあまり響かなかった。

①ソフト版
②日本テレビ版(2007年11月16日「金曜ロードショー」)※ソフト未収録
③機内上映版※ソフト未収録

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