タイトル
特攻大作戦(原題:The Dirty Dozen)
概要
1967年のイギリス/アメリカ合作映画
上映時間は150分
あらすじ
アメリカ陸軍のライズマン少佐は行き過ぎた行動によりウォーデン少将から無茶な作戦の指揮を任される。その作戦とは、ノルマンディ上陸作戦に先立ち、ドイツ軍の将校たちが集う保養所を襲撃する作戦を12人の囚人で行うようにというものだった。
スタッフ
監督はロバート・アルドリッチ
音楽はフランク・デ・ヴォール
撮影はエドワード・スケイフ
キャスト
リー・マーヴィン(ライズマン少佐)
アーネスト・ボーグナイン(ウォーデン少将)
チャールズ・ブロンソン(ウラディスロー)
ジム・ブラウン(ジェファーソン)
ジョン・カサヴェテス(フランコ)
リチャード・ジャッケル(ボーレン軍曹)
ジョージ・ケネディ(アンブラスター少佐)
ロバート・ライアン(ブリード大佐)
テリー・サヴァラス(マゴット)
ドナルド・サザーランド(ピンクリー)
クリント・ウォーカー(ポウジー)
感想
後の「スーサイド・スクワッド(2016)」など多くの映画に影響を与えたとされる、犯罪者による寄せ集めが活躍するという物語。アカデミー賞では4部門でノミネートされ、音響効果賞を受賞した。
社会の中でのけ者扱いされている囚人たちが、陸軍内でのけ者扱いされている少佐の元、信頼関係を築いていくところがミソである。とは言いつつも、本作はキャラクターに奥行きがなく、囚人たちもマゴットを覗けばみなそれなりに素直で良い奴なので、少佐ともあっさり信頼関係を築いていくことになる。犯罪者が「戦争に乗じて暴れてやろう」といったグレーな奴がいても良いのだが。
序盤から中盤にかけて彼らが信頼を築きつつ、作戦に向けた訓練していくことになる。この訓練シーンが極めてぬるい。この訓練ではラストの任務で必要な準備をしているのだが、ラストで散々展開される銃を使った訓練シーンがないのは疑問である。これだけ訓練シーンがぬるいのにライズマン大佐が「褒美」と言って彼らに女性をあてがうのもピンとこない。
続いて演習の場面に移行する。この演習では敵、味方、オブザーバーがそれぞれ色の異なる腕章を撒いているのだが、ライズマン少佐率いる軍団は敵の腕章を撒くことで敵陣に侵入して演習で勝利を収めることになる。このトリックを最初から観客に見せてしまっている以上、後の展開を見せたところで「そりゃそうなるだろう」という話である。しかもこのシークエンスは、ジョージ・ケネディ演じる少佐がまんまとやられた男を見て大笑いしているところで終わる。これはこれで成立しているが、ライズマン少佐のニヤッとした表情を見せるなどは必要だったと思う。ちなみに、ライズマン少佐が「褒美」を与えるならこの演習シーンの後だろう。
その演習から程なくして任務の実行になる。いきなり死人が出るなど驚きの展開もあるが、妙な戦争っぽさがあってそこは良いと感じる。ただ、訓練や演習の場面と同様、緊張感に欠ける。錨を屋根に引っかける場面ではバンバン音を立てているのに警備の男たちは誰も気付かない。この任務の場面だけで30~40分程度あるが、基本的に火薬量に頼った大味なアクションである。犠牲は出しつつも作戦は成功に終わり、驚くほどに短いエピローグで映画は終わる。
物語としては、できれば成功しようが失敗しようがどうでもいいような作戦を少佐が任され、そのどうでもいい作戦に本気で取り組んで上層部を見返し、囚人たちに達成感や仲間意識を芽生えさせ、そしてその後に大きな作戦を任されるという流れの方が自然だったと思う。そもそもだが、ノルマンディー上陸作戦前にドイツの高級将校を暗殺する任務なんて軍の中でもエリートクラスが担うものだろう。戦争経験もろくにない犯罪者にやらせるという設定も荒唐無稽ではある。
1960年代当時に良く作られた戦争コメディとして決して退屈する作品ではないが、ドラマとしてもっと素晴らしいものに仕上げられたと思うし、ロバート・アルドリッチが監督したことを考えると物足らなかったと言わざるを得ない。
音声解説
①<ジム・ブラウン(ジェファーソン役)/トリニ・ロペス(ヘミネス役)/スチュアート・クーパー(レヴァー役)/コリン・メイトランド(ソーヤー役)/ケネス・ハイマン(製作)/E・M・ナサンソン(原作者)/デヴィッド・J・スコウ(映画歴史家)/デイル・ダイ(軍のアドバイザー)
上記8名による音声解説だが、映像を見ながら話しているのはデイル・ダイだけで、他の7名は別撮りした音源をそれらしい場所に当てはめている。
一番多く話しているのもデイル・ダイであり、ベトナム戦争従軍時の経験を生かして戦争映画のアドバイザーや出演を務めていることから、「もし自分が監督ならこの場面はこのように演出する」とか「この車両はこの戦争ではおかしい」など戦時の銃器や装備に詳しくない人にとっては目から鱗の話ばかりであろう。
また、プロデューサーはロバート・アルドリッチが本作の製作から撮影時の苦労に関して監督が記載した手紙の抜粋を読み上げてくれる。監督が脚本をどう読み取りどう仕上げようとしていったかなども知ることができる。
吹替情報
①テレビ東京版(1975年2月6日「木曜洋画劇場」)
※スペシャル・エディションDVDにテレビ東京版の日本語吹替を収録
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