タイトル
サイコ(原題:Psycho)
概要
1960年のアメリカ映画
上映時間は109分
あらすじ
不動産屋で働くマリオンは、客から預かった4万ドルを銀行に運ぶことになるが、経済的な理由で結婚に踏み切れずにいるサムのところへ持ち逃げを図る。
スタッフ
監督はアルフレッド・ヒッチコック
音楽はバーナード・ハーマン
撮影はジョン・L・ラッセル
キャスト
アンソニー・パーキンス(ノーマン・ベイツ)
ジャネット・リー(マリオン・クレイン)
ヴェラ・マイルズ(ライラ・クレイン)
ジョン・ギャヴィン(サム)
マーティン・バルサム(アーボガスト)
ジョン・マッキンタイア(アル・チェンバース)
感想
ヒッチコック作品のみならずサスペンス映画史に残る金字塔。アカデミー賞では4部門でノミネートされたが1部門も受賞ならず、生涯5度の監督賞ノミネートをされたヒッチコックにとって最後の監督賞ノミネートとなった。
ロバート・ブロックによる原作はエド・ゲインの事件に触発されている。殺害した人の体で衣服や母に似せたものを作るなどしており、後の映画では「悪魔のいけにえ(1974)」や「羊たちの沈黙(1990)」のキャラ造形に影響を与えている。この小説の映画化権を購入したヒッチコックは出回っている原作を可能な限り買い占め、公開時には途中入場禁止にするなどネタバレ対策は徹底された。
主人公は多重人格で、ノーマン・ベイツの中に彼の母親ノーマ・ベイツが現れる。英語表記すると「Norman」の中に「Norma」が含まれているのも面白い。ノーマンがマリオンに鳥の話をするのが象徴的である。鳥はあまり食べないと思われているが実はよく食べる。人だって見かけによらないし、マリオンも不動産屋の秘書として働く自分と、金を持ち逃げして恋人と結婚しようとする自分という二面性に気付いてく。冒頭の場面で白の下着を着用していたマリオンが金を持ち逃げする場面で黒の下着に着替えているところも分かりやすい。
そんなマリオンが改心しようとした矢先、ノーマンから映画開始40分ほどで殺されてしまう。このように主人公と思しきキャラクターが割と序盤で殺されてしまうという衝撃は後の作品でもたくさんあるので、後から見た世代には衝撃ではないかもしれないが、それは生まれた世代によって異なることだから仕方がない。
そしてそのマリオンが殺されるシャワーシーンは音楽も含めて誰もが知るくらいに有名である。当時のハリウッドではヘイズコードがあったので、残虐な描写はできない。なので、スロー再生などで確認すればナイフはマリオンには刺さっていない。このわずか45秒ほどのシーンのために1週間も撮影しただけあって、当時できうる限りの表現になっていると思う。また当初は音楽なしを想定していたそうだが、バーナード・ハーマンの音楽を聞いたことでこの名シーンが仕上がったのである。また、バーナード・ハーマンのスコアは全体通して素晴らしく、オープニングの音楽の方が何なら好みではある。映画が始まったばかりなのに、もう誰かから追われているような感覚に陥る。
マリオンを探す探偵からの連絡が途絶えたことで、マリオンの妹ライラとマリオンの恋人サムが動き出す。ただ、行動を推進するのは男性ではなく女性のライラである。この女性の方が行動的であるのは「裏窓(1954)」におけるグレース・ケリーが演じたキャラクターなどにも通ずるものがある。
ただ、本作で唯一ずるいと感じるのはノーマン・ベイツの母親の声だろう。調べたところによると3人の声をミックスしたものを使って表現しているらしい。本作中ではノーマン・ベイツの母親の声を何度も聞くことができるのだが、その声をマリオンが事務所から聞いてしまう場面がある。ノーマン・ベイツが演じたアンソニー・パーキンスが出した声ではないわけだから、マリオンがアンソニー・パーキンスではない人によるノーマン・ベイツの母親の声を聞くのは甚だおかしいのである。この場面でマリオンがノーマン・ベイツの母親の声を聞くのは場面としては重要だが、何とかならなかったものだろうかと思う。
関連作品
「サイコ(1960)」…シリーズ1作目
「サイコ2(1983)」…シリーズ2作目
「サイコ3/怨霊の囁き(1986)」…シリーズ3作目
「サイコ4(1990)」…シリーズ4作目
「サイコ(1998)」…シリーズ1作目のリメイク
「ヒッチコック(2012)」…本作製作時の話を映画化
「ベイツ・モーテル(2013-2017)」…ノーマン・ベイツの少年時代を描いたテレビシリーズ
吹替情報
①テレビ東京版(1968年5月9日「木曜洋画劇場」)※ソフト未収録
②フジテレビ版(1975年9月5日「ゴールデン洋画劇場」※正味95分)※ソフト未収録
③TBS版(1983年6月16日「名作洋画ノーカット10週)※ソフト未収録
④ソフト版
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