タイトル
ミッション:インポッシブル/フォールアウト(原題:Mission: Impossible – Fallout)
概要
2018年のアメリカ/中国/フランス/ノルウェー/イギリス合作映画
上映時間は147分
あらすじ
前作でソロモン・レーンを捕まえてから2年後。彼の組織は活動を続けており、盗まれたプルトニウムが彼らの手に落ちる前にイーサン・ハントらIMFのチームは先手を打とうとするが、プルトニウムは奪われてしまう。イーサン・ハントはプルトニウム奪還の作戦を進めようとするが、CIAから監視役としてウォーカーなる男が送り込まれてくる。
スタッフ
監督/脚本はクリストファー・マッカリー
音楽はローン・バルフ
撮影はロブ・ハーディ
キャスト
トム・クルーズ(イーサン・ハント)
ヘンリー・カヴィル(オーガスト・ウォーカー)
ヴィング・レイムス(ルーサー・スティッケル)
サイモン・ペッグ(ベンジー・ダン)
レベッカ・ファーガソン(イルサ・ファウスト)
ショーン・ハリス(ソロモン・レーン)
アンジェラ・バセット(エリカ・スローン)
ミシェル・モナハン(ジュリア・ミード)
アレック・ボールドウィン(アラン・ハンリー)
感想
前作から3年ぶりに製作されたシリーズ6作目は、シリーズの売り上げ記録を持つ「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)」を1億ドル以上も上回る大ヒットを記録した。シリーズとしては初の監督続投となったが、前作との違いを出すべくスタッフ陣は一部入れ替えを図っている。
まず本作の成功は「マッドマックス/怒りのデス・ロード(2015)」の成功が大きく影響していることだろう。「マッドマックス/怒りのデス・ロード(2015)」はアクションをアクションで繋ぐという、かつてのハリウッド映画にはなかった「全部見せ場」のような映画で、それが観客からも批評家からも大きな称賛を浴びた。そして本作は、やりたいアクションを優先し、設定後付けという前作の製作方式を引き継いだうえで、特にアクションに今まで以上の力が注がれているのが分かる。
そのアクションは、HALOジャンプ、トイレでの格闘、バイクチェイスにカーチェイス、ビルからビルへの飛び移り、ヘリコプターへの乗り込みと操縦、そして最後にまた格闘とてんこ盛りである。しかもこれをすべてトム・クルーズがやってのけている。年単位での訓練、アクションしながらの演技、初の試みとなる撮影に向けた準備、ロケ地での協力と、今まで映画で表現できなかったことを実現するというまさに不可能なミッションを達成させ、新鮮味も存分に味わえる映像に仕上がっている。これぞチームで協力してミッションを達成する映画と重なるところだ。しかも、上述のアクションもどれか1つだけすごいのではなく、そのすべてがすごいのだ。これはアクション映画史に残るレベルであろう。
また、スパイものとしての良さ、チーム戦としての良さも、前作を凌ぐ出来になっているし、「M:i:Ⅲ(2006)」のヒロインであったジュリアとの物語にも決着をつけることができた。そして最後はイーサンのもとにチーム員が集結し、イーサンの笑顔で映画は幕を閉じる。彼の笑顔で映画が終わるというのも「M:i:Ⅲ(2006)」を思わせて良い。
それから製作者の映画愛も感じ、パリで繰り広げられるバイクチェイスシーンは監督も公言しているようにクロード・ルルーシュ監督の短編「ランデヴー(1976)」を参考にしており、イーサンのバイクに驚いて飛び立つ鳩というのもオマージュだろう。また、螺旋階段を登ったり、白い塔の上でイーサンが立ち尽くしたりといえば、ヒッチコック監督の「めまい(1958)」を思わせる。そして、クラブシーンでイーサンが人をかき分けて歩く姿や、女性警官を撃った男たちをイーサンが素早い銃さばきで撃ち殺す場面は、トム・クルーズが主演した「コラテラル(2004)」なんかを思い出す。
確かに脚本の粗は目立つ作品ではあるかもしれないが、見せ場を見せ場で繋ぐという方式において、それを実現できるトム・クルーズがいる以上、成功作品と言わざるを得ない。シリーズ開始から22年たって尚、最高傑作を世に送り出し、それをリアルタイムで追えるという意味では極めて稀有な存在である。現状の発表通りなら、残り2作品となるが、ありがたく鑑賞していきたい。
音声解説
①<クリストファー・マッカリー(監督)/トム・クルーズ(イーサン・ハント役/製作)>
上記2名による対話形式の音声解説。このコンビによる音声解説は「アウトロー(2012)」「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015)」に続いて3作目となり、さすがの安定感。製作前から撮影時にかけての様々な苦労話、キャストやスタッフの印象、お互いがどこに拘って、どう修正して完成させていったかを聞くことができる。本作が好きなら間違いなく聞くべき音声解説。
②<クリストファー・マッカリー(監督)/エディ・ハミルトン(編集)>
上記2名による対話形式の音声解説。「試写の10日前に収録している」と語っており、音声解説の収録時期も作品によって様々だなと思わせる。上記2名が始まってからエンドクレジットまで喋りっぱなしである。主演のトム・クルーズ怪我による撮影中断などのトラブルにより製作期間が長引き、そのためか本作の編集には1年半を要したらしく、本シリーズ最長となる148分にまとめ上げる上で工夫したことや止む無くカットした場面についてなどを聞くことができる。
③<ローン・バルフ(音楽)>
音楽を担当したローン・バルフ単独による音声解説。148分もの長さの映画を作曲家1人で喋るにはやはりきつかったか。興味深い話もあるにはあるが、同じような話の繰り返しになっているところも多々あり、監督なり、楽器の奏者なりが話し相手として必要ではなかったかと感じる。
関連作品
「ミッション:インポッシブル」…シリーズ1作目
「M:I-2(2000)」…シリーズ2作目
「M:i:Ⅲ(2006)」…シリーズ3作目
「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)」…シリーズ4作目
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015)」…シリーズ5作目
「ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018)」…シリーズ6作目
「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE(2023)」…シリーズ7作目
「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025)」…シリーズ8作目
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