【作品#0115】裏窓(1954)

1950年代

裏窓(原題:Rear Window)

1954年のアメリカ映画
上映時間は113分

事故によりギプスを付け車いす生活のジェフは、窓から向かいのアパートの住人たちを観察するのが日課であった。ある日、向かいの喧嘩の絶えない夫婦の妻が姿を消し、ジェフは殺人を疑う。友人のドイル刑事に相談しても相手にしてもらえず、恋人のリズ、看護師のステラと調査を始める。

監督はアルフレッド・ヒッチコック
音楽はフランツ・ワックスマン
撮影はロバート・バークス

ジェームズ・スチュワート(ジェフ)
グレース・ケリー(リズ)
セルマ・リッター(ステラ)

合計5度のタッグを組んだアルフレッド・ヒッチコック監督とジェームズ・スチュワート主演によるサスペンスコメディ。ヒロインを演じたグレース・ケリーもヒッチコックとは3度タッグを組んでいる。アカデミー賞では監督賞含む4部門でノミネートされながら、1部門も受賞に至らなかった。

 

向かいの部屋がすべて丸見えである点にリアリティはないが、他人のプライベートを覗くことのできるSNS時代に観ると、あながち古びていないようにも感じる。

 

サスペンスとしては、主人公の推理を度々訪れる刑事が「それは違うよ」と否定する展開が何度か続くが、面白さを持続する演出にはあまり感じない。刑事から否定されると、主人公らは強引ともいえる推理から証拠を見つけに行く展開はまさに強引だ。また、主人公は部屋から出られないため、どれだけの情報を主人公に与えるかどうかもキーになるが、情報としては与え過ぎなような気もする。

 

このサスペンスの部分はいまいちでも、本作は設定を生かした展開こそが見どころであると感じる。本作の設定は世界を股にカメラマンとして仕事をしているジェフが、事故で車いす生活になり半ば家に閉じ込められる。恋人のリズは自分とは位が違い、結婚して付いて来させるのは難しいと考えている。体を自由に動かせず、女性はついて来るものだと考える主人公には明らかな「老い」と「頭の固さ」を感じさせ、骨折して体の自由が利かず、かゆい爪先には手が届かず、遠くを見るには双眼鏡を必要とする設定こそ、彼の「老い」を象徴させているし、彼が足につけるギプスこそ「頭の固さ」を象徴のようだ。

 

中盤以降、家に留まるジェフを尻目に、リズは家を飛び出して活発に動き回る。危険を冒して行動するリズをジェフはただ見守ることしかできない。そして、ジェフが文字通り落ちたことで両足ともギプスをつけることになって終わるのだが、この結末はこのテーマから見ると非常に理にかなっていると思う。

 

にしてもグレース・ケリーの美貌には溜息が出る。最初に登場する場面や、ベールを取り、上着を脱ぐ所作など映画の進行などどうでもよくなるほどの魅力だった。このグレース・ケリー演じるリズと結婚しようとしないジェフはどうかしている。あと、車椅子で寝る生活をしていたら足からギプスが外れる前に首にギプスをするハメになると思う。

①機内上映版1(2025年1月5日スターチャンネルで放送※ノーカット)※ソフト未収録
②機内上映版2※ソフト未収録
③テレビ朝日版(1986年10月19日「日曜洋画劇場」)※ソフト未収録
④ソフト版(2012年11月2日発売のソフトに初収録)

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